一枚のブラウス
97歳の女性の利用者様の訪問時
ベッド上の1枚のブラウスに目が止まりました。
『素敵なブラウスですね!』と声を掛けると
『これは私が若い頃、手で縫った物よ』と少し恥ずかしそうにされました。
『良かったら見せてもらっていいですか?』と手に取って見せてもらうと
既製品のような出来映えですが
よく見ると手縫いと思える縫い合わせがわかりました。
型紙など無い時代、自分で適当に裁断して縫ったと言われます。
ボウタイの襟、袖、胸のギャザー、おしゃれなボタン使いなど
惚れ惚れする作りでした。
これが長い時を超え今でも着られていてまた驚きです!
写真をお願いすると快く着て下さいました。
今では簡単に手に入る衣類ですが、当時の御苦労と手作りの温かみを
人生の大先輩から教えられた手縫いのブラウスでした。